ニーズヘッグは北欧神話において、神々の最終の戦い「ラグナロク」で生き残った黒きドラゴン。
北欧神話は世界樹ユグドラシル(現代ではトネリコの木)を軸とする話なのでトネリコ神話とも呼ばれています。
北欧神話に出てくるドラゴン「ニーズヘッグ」は世界樹ユグドラシルの3つに分かれる根の先、フヴェルゲルニルの泉に棲んでおり、世界樹ユグドラシルをかじって養分を奪っています。
ちなみにフヴェルゲルニルの泉は北欧神話における世界樹ユグドラシルの最下層「ニヴルヘイム」の国にある泉のこと。
ゲームFF7でも出てくるニヴルヘイムは聞いたことある方も多いでしょう。
今回は、ドラゴン「ニーズヘッグ」について北欧神話をまとめましたのでご覧ください♪
また、ニーズヘッグが住む世界樹ユグドラシルについては、アニメやゲームや漫画の元ネタともなっていますので、二次元にワクワクするお仲間の皆さまに楽しんでいただけたらと思います。
ラグナロクで生き残るニーズヘッグは死者を運ぶドラゴン
北欧神話における神々の最終の戦い「ラグナロク」。神々や巨人、様々な動物たちも滅亡していく中、ニーズヘッグは生き残り、死者の魂を運んでいました。
「ラグナロク」は有名なゲームやアニメや漫画にも良く登場する名前や名称ですよね♪個人的には、FF8の飛空艇ラグナロクを思い出しますが、皆さんはどうでしょうか。
北欧神話の神々と巨人の最終決戦ラグナロクは、「ヴィーグリーズ」で起こったとされています。
Wikipediaより 巨人と魔物の軍勢を迎え撃つ神々。
神々の最終の戦いラグナロクの舞台でもある世界樹ユグドラシル
世界樹ユグドラシルとは、北欧神話における世界の基礎となる巨大な木。現代で言うと、トネリコの木が世界樹ユグドラシルであったと言われています。
ユグドラシルには9つの世界が存在し、9つの世界の支柱になるのがユグドラシル(トネリコの木)。その為、トネリコ神話と呼ばれることもありますよ。
Wikipediaより 北欧神話における世界図
中心の木がユグドラシルである。
『スノッリのエッダ』の英語訳本(1847年)の挿絵。
9つの世界を支える木となると、かなり巨大な木であったことがわかりますね。
9つの世界に住むのは、神々であったり、人間、巨人、エルフ、その他にもさまざまな動物や生き物たちが存在していたとされています。
現在の世界各国には、巨大な木があった痕跡や書物や伝説が実は残っていて、巨大な木が存在していたとなると、巨人がいたと言うことにも繋がるそうです。
巨木遺跡についての研究や調査もされている様なので、巨木や巨人が実在したと発表される日も近いかもしれません。
巨木伝説については、また別の記事にまとめていきたいと思います♪
ユグドラシルについても知りたい!と言う知識欲豊富な方は、世界樹ユグドラシルの記事もご覧ください♪
特に、ゲームやアニメや漫画好きな方はネタ元になっている話もありますのでより一層楽しめると思います。
神々の最終の戦いラグナロクとは
ラグナロクとは北欧神話における神々の最終の戦い(終末の日)のこと。神々と異種族の巨人やエルフなどヴィーグリーズの野で最後の戦いを迎えます。
ラグナロクは「神々の終焉」や「神々の運命」と言われていますが、誤訳されたことがあり「神々の黄昏(たそがれ)」と呼ばれることもあります。
ラグナロクが始まると「フィムブルヴェド」という、3つの冬がやってきます。
3つの冬(風の冬、剣の冬、狼の冬)がやってきて、その間に夏は訪れない為、人々が理性などを失い、生き物たちもどんどん死に絶えていきます。
そして、ラグナロクでは月と太陽も無くなります。魔狼フェンリルの子供たち「スコル」と「ハティ」に飲み込まれてしまうのです。
太陽と月も無くなり、木々や山々、大地などあらゆる自然たちや命が消えていく最終の戦いラグナロク。
封印や束縛されていた存在たちも神々のいるアースガルズの国に攻め込み、ヨルムンガンドと呼ばれる大蛇も海から陸へと攻めてきます。
Wikipediaより 17世紀の写本『AM 738 4to』に描かれたヨルムンガンド。
ラグナロクの最後には、炎燃え盛る灼熱の国「ムスペルヘイム」の入り口を守っていた巨人「スルト」の放った炎がユグドラシルの世界を焼き尽くし、9つの世界は海の中へ。その時、ホッドミーミルの森だけが焼け残りました。
世界樹ユグドラシルを焼き尽くした炎から逃れた「リーヴ」と「リーヴスラシル」という人間が新しい世界で暮らしていくという話の終わりです。
北欧神話の歌謡集「古エッダ」の詩「巫女の予言」には、終末の日に死者を翼に乗せ飛翔する黒きドラゴン「ニーズヘッグ」が描かれていることから、ラグナロクではニーズヘッグも生き残ったと言われています。
ラグナロクやニーズヘッグの北欧神話(トネリコ神話)
神様や巨人、ドラゴンや様々が生きている世界樹ユグドラシルは、最終の戦い「ラグナロク」で炎に焼かれ海へ沈みます。
神々と巨人の戦い「ラグナロク」で生き残ったドラゴン「ニーズヘッグ」についてご紹介します。
世界樹ユグドラシルに住むニーズヘッグ
北欧神話において「ニーズヘッグ」の名前の由来は、「怒りに燃えてうずくまる者」。訳によっては、ニーズヘグ、ニーズホッグ、ニードホッグと書かれているものもあります。
Wikipediaより 写本『AM 738 4to』に描かれたニーズヘッグ(一部を拡大)。
北欧神話を知ることができる詩の教本「スノッリのエッダ」ではニーズヘッグはヘビとされていたり。ヘビと共に住むドラゴンと記されている書物もあります。
ニーズヘッグの姿は、ゲルマンでは翼のある黒いドラゴン(龍)と言われています。
上の画像で見るとヘビやドラゴンと言うよりは、トカゲのような感じですね。
北欧神話に出てくるドラゴン「ニーズヘッグ」が棲んでいるのは、極寒の地「ニヴルヘイム」にあるフヴェルゲルニルの泉。
フヴェルゲルニルの泉は、世界樹ユグドラシルの3つに分かれる根の先の一つであることでも有名です。
ニーズヘッグはユグドラシドルの根をかじって養分を奪っています。(時には、死者を喰らうとも言われていますよ。)
神話の話は明確じゃない部分が多いのですが、日本や世界でも蛇と龍は同一視されていることも世界の不思議の一つではないでしょうか。龍蛇信仰や龍蛇神と同一に扱われることが多々あります。
ニーズヘッグの天敵!ワシの姿をした巨人フレースヴェルグ
ニーズヘッグと仲が悪いとされているワシの「フレースヴェルグ」。その名は、「死体を飲みこむ者」という意味があります。
「フレースヴェルグ」とは、世界樹ユグドラシルのテッペンにいるワシの姿をした巨人。世界のあらゆる風を起こしているとされています。
ユグドラシルの根元にいる「ニーズヘッグ」とユグドラシどるのテッペンにいる「フレースヴェルグ」は、リスのラタトスクを介して会話をしていました。
Wikipediaより ラタトスク。『AM 738 4to』より。
リスのメッセンジャー「ラタトスク」は、ニーズヘッグとフレースヴェルグのやり取りを大げさにして伝えることが多く、喧嘩を煽(あお)り立てます。そのせいで、ニーズヘッグとフレースヴェルグは仲が悪かった様です。
ちなみに、「ラタトスク」は「走り回る出っ歯」という意味がありますよ。
Wikipediaより 鷲(名称不明)の頭の上に乗るヴェズルフェルニル。『AM 738 4to』より。
そして、北欧神話が語られている「ギュルヴィたぶらかし」では、ユグドラシルの枝にとまる1羽のワシ(「フレースヴェルグ」でないかと言われている)がいます。
ワシの眉間には1羽のタカがとまっており、そのタカの名前は「ヴェズルフェルニル」であると云います。
ラグナロクで生き残ったドラゴン「ニーズヘッグ」
ラグナロクでは、「リーヴ」と「リーヴスラシル」という2人の人間が生き残ったと言う神話が有名ですが、「ニーズヘッグ」というドラゴン(またはヘビ)も生き残ったと言われています。
Wikipediaより Lorenz Frølichが描いたリーヴとリーヴスラシル(イラストでは、男性の下に「リーヴ」、女性の下に「リーヴスラシル」と書かれている。)
ニーズヘッグがラグナロクを生き残ったとされるのは、「巫女の予言」第66節に終末の日に翼に死者を乗せ、飛翔する黒きドラゴンとして登場するからです。
黒いドラゴンだと敵のボスのようなイメージですが、死者を乗せて飛んでいたことから、ニーズヘッグは神秘的な生き物に感じますね。
ラグナロクやニーズヘッグに関するゲームやアニメ
北欧神話に関することがアニメやゲーム、漫画の元ネタになることはとても多いです。
北欧神話について関連する作品に触れることも、より一層理解するきっかけにもなりますので、ご紹介いたします♪
作品の背景にある神話も知っていたり、または知っている神話を使った作品に触れるとそれぞれの見方も変わり、更に楽しめますよね!
お友達やご家族への話のネタとなると思いますので、北欧神話にどんどん触れてオタクな楽しみ方もしてみましょう♪
PS4・PS5「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」
北欧神話の世界を体験できるPS4・PS5の「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」。
ゲーム内のグラフィックが美しく、神々や巨人や生き物たちが北欧神話を基に作られています。
こちらは観るゲームとも言われるほど、映画のような見応えあるストーリーでもあり、自分が北欧神話の中を冒険している感覚も体験できますよ♪
北欧神話を知りたいのなら、やって損はないゲームです。リスのラタトスクも出てきますよ♪
個人的には豪華声優たち(三宅健太、井上喜久子、武内駿輔、平川大輔、内田夕夜、木村良平、浪川大輔などなど)が出演しているので、そこも楽しめる一つです!
※こちらは18歳以上が対象となっています。
ラグナロクが舞台の終末のワルキューレ
「ラグナロク」と言われる神VS人類の最終闘争が舞台となっている話。北欧や世界各国の神々や偉人たちなどが戦う漫画(アニメ)です。
神々の性質や武器なども神話に基づいています。気になる方はご覧になってみてくださいね。
月刊コミックゼノンにて、2018年1月号より連載。
ファイナルファンタジーシリーズにも出てくるラグナロク
ファイナルファンタジーはゲーム業界でもかなり有名どころ!FFシリーズ内にもラグナロクの名称が使われています。
ファイナルファンタジーでの「ラグナロク」は装備できる剣として扱われていることが多いです。
FF8では飛空艇の名前として「ラグナロク」が使用されています。FF6では、伝説の剣が長い年月を経て召喚獣「ラグナロック」となったストーリーもあります。
ラグナロクの他にも、オーディンやトール、ミッドガル、バーサク、フェンリルなど北欧神話に出てくる名前が使用されていることが多いです。
まとめ
- ニーズヘッグはトネリコ神話(北欧神話)における「ラグナロク」で生き残った黒きドラゴン
- ニーズヘッグは世界樹ユグドラシルのフヴェルゲルニルの泉に棲んでいる
- 神々と巨人の最終決戦ラグナロクは「ヴィーグリーズ」で起こった
- 「ニーズヘッグ」の名前の由来は、「怒りに燃えてうずくまる者」
- ニーズヘッグは「巫女の予言」で終末の日に翼に死者を乗せ飛翔する黒きドラゴンとして登場する
北欧神話のニーズヘッグがドラゴン(またはヘビ)ということ、極寒の地「ニヴルヘイム」のフヴェルゲルニルの泉に棲んでたことなどが分かりましたね♪
個人的には、ニーズヘッグとタカのフレースヴェルグの仲が悪い原因がリス「ラタトスク」が煽っていることがお話としてキュートさを感じてしまいます。
この記事を読んで、少しでもトネリコ神話(北欧神話)に触れてもらえたら嬉しいです♪ここまで読んでいただきありがとうございました。
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