北欧神話(トネリコ神話)に登場する世界樹ユグドラシルの九つの世界のうち、下層に位置する霧と氷の国が「ニヴルヘイム」です。天地創造以前から存在していたとされる、最も古い世界の一つでもあります。
この記事では、ニヴルヘイムの成り立ちから、そこに湧く泉、住むとされる大蛇、そしてゲーム「ファイナルファンタジーVII」に登場する地名「ニブルヘイム」との関係まで、まとめてご紹介します。
ニヴルヘイムの基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 意味 | 古ノルド語で「霧の国」「暗い国」 |
| 位置 | ユグドラシルの下層。ギンヌンガガプ(裂け目)を挟んでムスペルヘイムの北方 |
| 成立 | 天地創造以前から存在する最古の世界の一つ |
| 主な存在 | フヴェルゲルニルの泉、大蛇ニーズヘッグ、黄金の橋ギャラルブル |
| 隣接する世界 | ヘルヘイム(黄金の橋ギャラルブルで繋がる。同一視されることもある) |
天地創造以前から存在する霧の国

ニヴルヘイムは、北欧神話における天地創造の物語の中でも特に古い時代から存在していたとされる世界です。
まだ何もなかった「ギンヌンガガプ」と呼ばれる大きな裂け目の北側に、極寒と霧のニヴルヘイムがあり、南側には灼熱の国ムスペルヘイムがありました。この二つの世界の熱気と冷気がギンヌンガガプの中でぶつかり合ったことで、最初の生命体である巨人ユミルが生まれたと伝えられています。
つまりニヴルヘイムは、北欧神話の世界そのものが始まる前から存在していた、根源的な国のひとつということになります。
フヴェルゲルニルの泉と11の川「エーリヴァーガル」

ニヴルヘイムには、ユグドラシルの根の一つが伸びており、その根元に「フヴェルゲルニルの泉」があります。
この泉は、フヴェルゲスヴォル、グンスラー、フィヨルム、フィンブルスル、スリーズ、フリーズ、シュルグ、ユルグ、ヴィーズ、レイプト、ギョッルという11の川の源になっているとされ、これらの川は総称して「エーリヴァーガル(嵐の海)」と呼ばれています。
『ギュルヴィたぶらかし』には、エーリヴァーガルの川面を流れる泡には毒気が含まれていて、フヴェルゲルニルの泉から離れた場所まで流れ着くと氷になった、という記述も残っています。極寒の国らしい、少し不穏な言い伝えです。
大蛇ニーズヘッグとユグドラシルの根

フヴェルゲルニルの泉には、大蛇「ニーズヘッグ」が棲んでいます。ニーズヘッグはユグドラシルの根をかじり続けており、その手下の蛇たちとともに、世界樹を弱らせる存在ともされています。
ちなみにこのニーズヘッグ、北欧神話の最終決戦「ラグナロク」を生き残ったドラゴンとしても知られています。詳しい伝説は下記の記事にまとめています。
ヘルヘイムとの関係、黄金の橋ギャラルブル

ニヴルヘイムを流れる川の一つ「ギョッル」は、ニヴルヘイムと冥界ヘルヘイムの境界にもなっています。
この境界には「ギャラルブル」と呼ばれる黄金の橋が架かっていて、女巨人モーズグズが見張り役として立っているとされています。
ロキの娘であるヘルが投げ込まれた場所もこのニヴルヘイムで、そのためニヴルヘイムはヘルヘイムと同一視されることも少なくありません。二つの世界の境界がはっきりしないのも、北欧神話らしい奥深さです。
ゲームの元ネタにもなっているニヴルヘイム

ニヴルヘイムという名前を聞いて、ゲーム「ファイナルファンタジーVII」の舞台の一つ「ニブルヘイム」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
主人公クラウドの故郷として描かれるこの村の名前は、北欧神話のニヴルヘイムが元ネタになっていると言われています。
極寒の地であること、謎に包まれた古い世界であることなど、神話のニヴルヘイムが持つ雰囲気は、ゲームの中の設定とも重なる部分が多いように感じます。
北欧神話は他にも、アニメやゲームのモチーフとして使われることが多いので、知っておくとさらに作品を楽しめるかもしれません。

まとめ

- ニヴルヘイムは、古ノルド語で「霧の国」を意味する、天地創造以前から存在する世界
- ムスペルヘイムとの間の裂け目「ギンヌンガガプ」で、最初の巨人ユミルが誕生したとされる
- フヴェルゲルニルの泉が11の川「エーリヴァーガル」の源になっている
- 大蛇ニーズヘッグが泉に棲み、ユグドラシルの根をかじり続けている
- ヘルヘイムとは黄金の橋「ギャラルブル」で繋がり、しばしば同一視される
- ゲーム「ファイナルファンタジーVII」の「ニブルヘイム」の元ネタとも言われている
謎の多い北欧神話の中でも、ニヴルヘイムは特に古く、根源的な存在の国。世界樹ユグドラシルの成り立ちを知るうえでも欠かせない世界です。
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