「魔女週間」の話はこれまでの記事でも書いてきましたが、バルゴタに1週間もいると、お祭りのない普通の日も、村の中をただぶらぶら歩く時間がたくさんありました。今回はそんな、何でもない散策の記録です。
バルゴタの石畳と蔦の路地を歩く

路地は石造りの家に両側を挟まれていて幅も狭く、車1台がぎりぎり通れるくらい。曲がり角も多く、方向感覚がわからなくなって一人だと迷子になりそうだと思いました。
訪れたのは2024年7月。真夏でも湿度が低くカラッとしていて、日本の夏とは違い長時間歩いても疲れにくい気候でした。
観光客の姿はほとんど見かけず、村はしんと静か。石壁には蔦が好き放題に這っていて、手入れされすぎていない自然な雰囲気がかえって魅力的でした。









村の役場も見かけましたが、ヨーロッパは役場や市役所などの建物もとても美しくオシャレな雰囲気でした。
扉のデザインは家ごとにバラバラで、木目がそのまま残る扉や塗装が剥がれかけた扉、番地プレートの書体まで違っていて、見比べながら歩くのが楽しかったです。玄関先の多肉植物の鉢植えにも、暮らしの気配が感じられました。

村の中心の広場には、大きな木とベンチがありました。日本ではなかなか見れない景色に眺めたり、歩いているだけでも幸せな時間でした。
教会近くの壁画パネルに描かれた伝説

教会の近くの外壁には、色鮮やかなイラストパネルが飾られていて、村に伝わるヨハネス・デ・バルゴタの伝説が描かれていました。物語を知ってから見ると、また違う気持ちで眺められます。
バルゴタは、スペイン・ナバラ州のティエラ・エステーリャ(Tierra Estella)地方にある小さな村です。パンプローナやログローニョから車で1時間ほどの、のどかな農村地帯にあります。
この村には、「ヨハネス・デ・バルゴタ(Johanes de Bargota)」と呼ばれる伝説の魔法使い・司祭にまつわる言い伝えが残っています。教会近くの外壁には、その逸話を描いた手作りの壁画パネルが飾られていて、いくつもの話を読み取ることができました。

姿を消せるマントを羽織って雲に乗り、サン・フェルミン祭やマドリード、関所などへ瞬時に移動していたという話。ある年の8月16日、遠く離れた雪山から一瞬で村に戻り、帽子とマントを雪だらけにしたまま「モンテス・デ・オカでは雪が降っている!」と叫んだという話。
異端審問官に捕らえられそうになった際には、自分の脚を切り取らせ、切り口から血の川を流させながら逃走。しかし夜明けの光の中で審問官が見たのは、脚ではなくただの木の幹だった、という人を食った逃げ方をしたという話も残っています。

ほかにも、主人と共に雲に乗ってマドリードの闘牛見物に出かけ、見つかった仕返しに貴族の額に角を生やしたという話や、無礼な返事をしたラバ引きの隊列ごと空中に持ち上げ、教会の鐘楼に吊るしてしまったという話も描かれていました。
どれも本当かどうかは分かりませんが、こうした逸話が今も壁画として残り、村の「魔女週間」の元になっていると思うと、伝説が今も生きているというのはこういうことなんだな、と感じました。
石造りの貯蔵庫を案内してもらった

散策中には、石造りのアーチが特徴的な貯蔵庫のような空間にも案内してもらいました。ワイン貯蔵に使われていたらしいという話を耳にしましたが、正確な用途は確認できていません。

ひんやりとした空気だけは、はっきり覚えています。
スペイン・バルゴタの地元の方との会話

散策中に一番心に残っているのは、地元の方との立ち話です。ある女性が「若い頃は、自分もいつか魔女になれるかもと思っていた」と教えてくれました。
そして、日本人7人の女性でゾロゾロと歩いているだけで、声をかけられ、「こんなにたくさんの日本人見たことがない、時間があったら私の家にご飯を食べに来て」と可愛いおばあちゃんに声をかけられました。
魔女週間は観光イベントというより、この土地の記憶そのものなんだと実感した会話でした。
バルゴタ散策まとめ

- バルゴタは観光地化されていない、静かな石畳の村
- 石壁に絡まる蔦や、表情豊かな扉など、何気ない風景が魅力
- 教会近くの壁画パネルには、ヨハネス・デ・バルゴタの伝説が描かれている
- 石造りの貯蔵庫を案内してもらう機会もあった
- 地元の方との会話から、伝説が今も暮らしに根づいていることを感じた
バルゴタは観光地というより、住んでいる人たちの日常がそのまま残っている村でした。取り立てて特別な出来事があったわけではない散策ですが、振り返るとこういう何気ない時間ほど記憶に残るものだと感じています。
「魔女週間」そのものの詳しい記録は、こちらにまとめています。
👉バルゴタ「魔女週間」体験記|スペイン・ナバラの魔女伝説の村に1週間滞在【2024年7月】
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